ダイレクトコンバージョン受信機についてネットを漁っていたら、QSTのコピーのPDFを見つけた。知っている人は知っているのだろうけれど、個人的には初見である。JAの昔の雑誌もこの広大なサイバー空間()のどこかに埋もれているのかも知れない。

 

見つけたサイトに収録されている記事はかなり偏っていて(QSTが元々そういう雑誌だったのかも知れないが原書を読んだこと無い)、まあ、70年代〜80年代の標準的なJAのアマチュアならいちいち英文読解せずとも察しのつく内容だった。JAの類似の雑誌記事と異なるのは各々の回路に創意工夫の跡がにじみ出ていることで、故に眺めていて面白い。この辺は国民性の違いなんだろう。

 

さて、引用の記事は1968年11月号のもので、紹介されている受信機の構成は、バンドは80mか40mのいずれか(2バンドではなく部品定数の変更による)、アンテナをVC付の同調回路で受けてそのままダイオードDBMへ。局発はJFETハートレーで出力はタンク回路のLの2次からバッファなしで直接取り出している。

 

DBMからの出力は単純なπ型LCフィルタを通過した後、トランジスタ3石によるAFアンプで増幅される。音声の取り出しはスピーカーではなく、回路上にHI-Z PHONESと書かれているからハイインピーダンスのヘッドフォンによるようだ。電源電圧は9Vである。

 

記事を斜め読みすると、

the audio amplifier, although quite simple, provides over 100db gain.Indeed,it provides the gain for the entire receiver. It is quite important that high-beta, low-noise transistors be used.

このように書かれている。100dBオーバーというのはなかなか大変な数字だと思う。RFアンプ無しで、しかもパッシブなミキサで復調しているからこの位はないと(いくらアチラの局が大電力送信とはいえ)実用にならない。

 

で、ちょっと気になったので回路シュミレータ(LTSpice)に掛けてみた。RCA40233なる石のSpiceモデルがなかったので2N2222や2SC1815GR等という昔ながらの石で計算してみたのだが、利得は100dBを下回って90dBを切った。やはり汎用品ではダメで記事にあるように "hige-beta,Low-noise"な石を探さなくてはならないらしい。

 

周波数特性は2kHz過ぎに目立つピークのあるローパスもどきのバンドパスで、入力のLCフィルタに依存している部分が大きい。但しシュミレータでは88mHのLにはインダクタンス以外何も設定していない。記事によればこのLはtoroidだそうである。CWを受信するにはちょっとピーク周波数が高すぎる気もする。

 

100dBもの利得のあるアンプをAGC無しで動かしているけれど、アンプ自体のノイズを小さくしないと弱い信号はノイズフロアの下に潜って聞こえないだろう。大きな信号はその巨大利得故にすぐに飽和して歪んでしまうと思われる。即ちダイナミックレンジの大変狭い受信機に終わりそうなのだ。折角復調にダイオードミキサを使っているのに勿体無いことである。それでも実用になった(と思われる)理由だけれど、1968年はサイクル20のピークで11月には活動極大を迎えていたというから、比較的影響を受けにくい80mや40mでもやってくる信号レベルはそれなりに強かったから、ではなかろうか。一定以上を保証されるならそれに合わせて設計しても良く、設計を上回る強力な信号はアッテネータを併用すれば解決する。

 

簡単な構成で実用になる、というのは初心者が飛びつきそうな宣伝文句である。実際は「◯◯の条件下において」という但し書きが付くはずなのだが。この記事と類似の構成の製作記事はJAでもしばしば見かけたので(そもそもダイレクトコンバージョンの構成は多少の差はあれ、こうなる)、製作記事を一読して勇んで作ったは良いが、やってくる信号が弱かったりアンテナがショボかったりして悲しい思いをしたのは私だけではあるまい。


さて、はるか半世紀前のこの受信機はいったいどんな音で鳴っていたのか。入手したPDFは3ページ分で Performance の見出しのある節は数行続いたのち(continued on page 156)で終わってしまっている。残念。

 

過去記事にて製作した短波ラジオは復調回路に接合型FETによる再生検波方式を用いている。

 

この方式は、何らかの能動素子を用いて同調回路のQを補償することで選択度の向上を図るものである。一般に検波用の素子と補償用の素子を兼用するが、補償回路を別途用立てても同様の結果を得ることが可能であり、このような回路形式をセパレートダイン等と呼称する。

 

再生量(セパレートダインでは帰還量)を増やすと最終的に回路は発振状態となる。同調回路が一つしかない為、発振周波数と選択した信号の周波数は同一である。これにより検波回路を混合回路と見立てることで、キャリアのないSSB信号やキャリアの断続であるCW信号を復調することが可能となる。(CWの場合は少しずらしてビート音を得るようにする)

 

とはいえ、可能になったからといって即実用になる訳ではない。まず、混合回路になった検波用のFETには受信した信号の電圧と発振電圧が重奏して加わるので動作点の変動を免れ得ない。関連して信号電圧と発振電圧のどちらがFETの動作に支配的になるか、という問題もある。
そもそも検波と混合とでは最適動作点も異なっているから、そのまま流用したのではまともな動作は望めない。さらに、出力が稼げる点とS/N比が稼げる点は異なり、放送波に対して微弱な場合が多いアマチュア無線の信号を復調するにはS/N比重視にしたほうが良いことも多い。

 

製作したラジオではこの辺の事情を踏まえ、検波用及び帰還量調整用各々のFETのバイアスを任意に変更できるようVRをパネルに出しておいた。しかし、確かに動作点の追い込みは実現できたものの、FETのバイアスを弄るということは相互コンダクタンスを動かすことに他ならず、これはゲートソース間の容量変化を招く。ソース接地回路なのでこの容量はそのまま同調回路にぶら下がっており、同調周波数の変動となって現れる。これはこのラジオの欠点だが、この周波数変動をSSB受信時のファインチューニングの代用にするという裏技として活用している。

 

2石使っているのでSSB/CW受信用にはいわゆるダイレクトコンバージョン受信機が構成でき、そちらのほうがはるかに扱いやすい。しかし、セパレートダインにおいては常に受信周波数=発振周波数であり、トラッキングずれの問題が原理的に発生しない(別途RFアンプを用意するような場合は別)。また、安易に製作したダイレクトコンバージョン受信機はしばしば放送波の通りぬけに苦しめられるが、セパレートダインでは余り気にならない。これは特記して良いと思う。

 

自分宛てメモ。

 

http://swc.nict.go.jp/datacenter/daily_latestnews.php

 

 

49mBのラジオ日経が聞こえなかったので。ひょっとしたら電離層に何かあったか、と思ってネットを漁って見つけた。

昔は標準電波でCW打って知らせてくれたような。実際に聞いたことはなかったけど。

 

ラジオ日経のほうは単純に停波していただけの模様。他の送信周波数がメンテに入っているのだが、その余波かしらん。

 


 

 

仮住まいの実験用シャーシから、最終的なケースへ移動しました。

 

130mm幅のケースにバッテリーも一緒に押し込みました。スピーカーは内蔵せず、音声はステレオジャック(勿論モノラル出力)で外部に出しています。これはコンデションの悪い時はどのみちイヤフォンを使わなくてはならず、切り替え式のジャックの手持ちが無かったことによります。

 

 


内部の様子です。バンド切り替えスイッチの取り付け位置を確保するため、VCはパネル中心軸からオフセットして取り付けてあります。

 


最終的な回路図を示します。同調回路の固定Cの追加、帰還コイルの巻き数変更のほか、動作点調整用のVRの値を使いやすいものに変更しました。

ANT側のVCで49mb及び41mbをカバーするようにしていますが、実際は60mb(4700kHz)より少し上のあたりから始まって、7600kHzを僅かに超えたところまでになりました。ちょっと広すぎるのですが、いい加減調整するのが面倒になってきたのでこれ以上の追い込みは止めました。もし追い込む場合は下を切って上を伸ばしたほうが同調操作はしやすくなると思いますので、さらに固定Cを追加しなくてはならない 固定Cを減らす方向での調整が必要でしょう。

 

 

オーディオフィルタ回路の見送りについて

 

当初、フィルターを入れて聴きやすくするつもりだったのですが、安易に減衰極無しのLPFなんぞいれると必要な帯域まで減衰してしまってうまくありません(以前作った40m用DC受信機がこうなった)。
減衰極を入れるとどうしても実装面積が増えますし、せっかく入れるならf可変にしたい、という欲もあって改めて別の機会に取り組むことにしました。

このため、なかなかのハイファイ出力になっています。ラジオ日経の第2とかで音楽を流し聞きするには丁度いいのですが、弱い局をイヤフォンで拾いだそうとするとノイズで耳がシビレてきます。

 

ブレッドボードから蛇の目基板に回路を移しました。シャーシは実験用のまま、相変わらずの仮住まいです。電源をバッテリーに変更しましたが、特に問題ないようです。

 

シャーシ内部の様子。

 

浮遊容量が減ったせいか、同調範囲が大幅に狂ってしまいました。低い方のバンド(2連VCのアンテナ側使用、49mBと41mB、以下Aバンド)は49mBの下が収まらず、代わりに上が8MHzまで伸びてしまいました。高い方のバンド(同じくVCのOSC側を使用、31mBと25mB、以下Bバンド)はバリコン付属のトリマーを回したところ、何とか調整できました。

 

ここ数日使い込んでみたのですが、FETの動作電流をある程度流してやらないとS/Nが悪化するのがはっきり判るようになりました。Bバンドでは再生調整はバイアスを相当深くして動作を絞らないと発振してしまいますが、やはり動作点が不適切で再生音にひずみが出ます。

 

一応、モンゴルとイラン及び宗教局以外の日本語放送は全て受信できました(できた、と思う)のでそれなりの実用性はあると思います。しかし、前にも書きましたが25mBで選択度が不足しており混信します。10MHzを境に別々に組み立て、各々同調回路を最適化すればもう少し良い結果が得られるかも知れません。

 

ケースですが、中波のラジオと違って外部アンテナを接続するので、全体をシールドすることが可能です。というか、余計なものの混入を防ぐ意味でもシールドすべきでしょう。写真の実験用シャーシは150mm幅のもので余裕がありますが、値段が高いのでいつもの130mm幅に収めたいところです。

 

 

パネルはこんな感じ。実験用シャーシなので不要な穴だらけです。実は横置きにするつもりだったのですが、バッテリーホルダーの位置が悪く安定しないので縦置きにしています。

マルツ秋葉原2号店の店頭にはジャンクコーナーがあるのですが、先日そこで東芝のダイオードを見つけたので買ってきました。

 

1SS294 ショットキーバリア(低電圧高速スイッチング用)
1SS184 シリコン(超高速度スイッチング用)

 

です。

 

いずれも1袋300円で、1SS294のほうはざっと数えたところ100個くらいありそうです。同じく1SS184は50個くらい。なお、こちらは1石に2つ、カソードコモンで入っています。

 

1SS184は逆回復1.6ns, 端子間容量0.9pFというスペック。これで順方向電圧さえ低ければ高周波小信号用として充分使えるのですが、そこは所詮シリコンダイオードなので0.9Vもあります。但しこれはIF100mAの時でして、1mAであれば0.6Vだそうです。

 

1SS294はショットキーなので順方向電圧は0.54V(IF=100mA)と低め。IF=1mAなら0.28Vです。これだけ見れば高周波小信号用として楽勝で使えそうですが、端子間容量が18pFもあります。ほとんどバリキャップですね。

 

うーむ、何に使おうかしらん。とりあえず、1SS184でミキサでも組んでみるか?局発に大電力を要求されますが。

 

それとカソードコモンってどういう時に使うんでしょうね。LED表示器じゃあるまいし。直列なら保護回路とか、いろいろ使い道があるのですが。

 

ラジオを作っているとCやLの値を確認したい(しなければならない)ことがままあります。この趣味は子供の頃から続けているので実家にいけば必要な測定器はあるのですが、今の部屋は手狭なこともあって持ち込んでおらず(唯一例外は周波数カウンタ)、不自由していました。

 

で、何時までも不自由していたくないので、秋月電子のLCFメーターのキット(LCFメーターキット Ver.2 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-10762/)を作ってみました。秋月のオリジナルではなく、仕入品のようです。

 

いわゆる紙資料が付属しておらず、秋月の通販サイトからダウンロードするようになっています。回路図が中国語でしたので買う前から予想はしていたのですが、開封してみたら案の定国産部品はどこにも見当たりませんでした。まあ、使っている最中に爆発とかしなければ何でもいいですけど。

 

このキットの最大の難所は「有極性コンデンサ測定前の校正」でしょう。容量表示に信頼のおける有極性コンデンサを接続し、その数値を示すように基板上のポテンショメーターを回す、というものなのですが、そもそも「容量表示に信頼のおける」コンデンサーの調達が難しいと思います。


取り敢えずパーツ箱を漁ってニチコンの電解コンデンサーをいくつか繋いで挙動を見てみました。どれかを基準にした後、他を計ると概ね10%位ずれて表示されます。まあ、電解コンデンサーの容量誤差なんてこんなもんだろう、ということで納得することにしました。個人的には、有極性コンデンサーの容量にシビアな回路、というのを作らないのでこの程度の精度で問題は有りません。

 

ちなみに、無極性の微小容量であれば50Ωの同軸ケーブルの線間容量が1pF/cmなので、10cm位切り出したものを接続してやればそこそこの精度で校正できます。昔、この方法で自作の容量計を校正したことがありましたが、同じ50Ωの同軸でも細いもの(1.5D-2V)と太いもの(3D-2V)とでは容量が違って戸惑ったことを覚えています。3Dとか5Dとか使ったほうが無難だと思います(その時も3Dのほうを使った)。

 

今回作ったキットは無極性容量やインダクタンスでは校正の必要はありません。便利な世の中になったものです。そういえば、やはり昔作った秋月のインダクタンスメータは校正が必要で、この時はOPアンプで1Hのシュミレーテッドインダクタを作って校正したことを思い出しました。

 

その他、このキットの面白いところは入力電源で、基板上に整流回路を積んでいるので降圧したACを入れることができます。また、これによりDC入力時は極性に配慮する必要がありません。これはなかなか便利だと思いました。

 

さて、いろいろ測ってみたのですが(信号源がないので周波数は除く)手持ちの小容量セラミックコンデンサーの誤差が思いの外大きくて驚きました。出所不明のノーブランド品のことだけはあります。

 

 

先日巻いたコイル。362μHありました。単連ポリバリコンと組み合わせるには少し大きいかも。

 

市販のストレートラジオ向けバーアンテナ(BA-200)。330.9μH。流石メーカー品、仕様通り(330μH±5%)です。

 

以前、Aitendoで買ったバーアンテナ。確かパッケージには300μH以上の値が書かれていたはず(同時にスーパー用も買ったので、間違わないようしつこく確認した覚えがあります)ですが、実測したところ202.9μHしかありませんでした。これに適合するバリコンは440pFですが結構特殊かも知れません。ちなみにAitendoで扱っている(扱っていた)2連エアバリコンのなかに、アンテナ側と局発側を並列にするとこの容量になるものがあります(した)。

 

 

今まではポリバリコンやセラミックトリマーとか詳細な容量が分からなくなることがしばしばでしたが、これからは大丈夫でしょう。

はみ出している黄色いブレッドボードが増設したバッファアンプ。

 

 

承前。

 

入力に非同調のバッファアンプを追加することにしました。これにより、インピーダンスミスマッチによる(高周波的な)接地不良及びそれに伴う(と思われる)ハム音の低減を目指します。

 

バッファアンプの形式ですが、今回デバイスがJFETですので一番動作が安定しそうなゲート接地にしてみました。このアンプについては参考文献(稿末参照)に詳しく述べられていますが、それによれば入力インピーダンスは1/gm(相互コンダクタンス)になるんだそうです。手元に測定器らしいものが何もないので検証・追試といったことが一切できませんが、昔から広く読まれている本ですし内容に一定の信頼をおくものとして進めることにしました。

 

gmが小さいと入力インピーダンスは下がりませんので、高周波アンプとしては使いにくいものとなります。しかし、ラジオのRF増幅段として使う場合、接続するアンテナのインピーダンスが常に低いとは限りません。ロングワイヤーならぬショートワイヤーのインピーダンスはいかにも高そうですし、そのような場合はむしろハイインピーダンスのほうが適切かも知れません。

 

ということで、2SK2881Dおよび2SK2880E両方で試してみました。2SK2880Eのほうがハイインピーダンスになると思いますが、手元の環境ではいずれも問題なく使えました。今回は2SK2881Dを採用し、IDを3.6mA程度流しています。

 

効果は劇的で、煩わしかったハム音がピタリと止まりました。また、実際に受信してみた感じでは特に音が大きくなったとかノイズが増えたような感じはしませんでしたので、バッファアンプとして適切に動作していると思います。

 

 

変更後の回路図。部品番号がおかしいかも知れません。

 

その他変更点

  1. 同調範囲が広すぎて扱いにくいので、2バンドづつに分割することにした。一般にバンド切り替えはLとCを両方切り替える(当該バンドにおける最適化)ものだが、今回はCのみの変更で済ませている。なお、回路上にあるスイッチは未実装で、実際はブレッドボード上のジャンパーを差し替えることで切り替えている。
  2. Q2のドレインに接続してあったLCフィルターを撤去し、(AFフィルタ増設の準備も兼ねて)出力バッファとしてエミッタフォロワを入れた。

使ってみて

  • VCに並列Cを追加したためか同調回路の無負荷Qが下がったようです。特に25mBにおいては再生をぎりぎりまで掛けても選択度が不足し、強力な局があると混信します。聴感上の選択度は40kHzといったところです。
  • A1やA3j、じゃなくてA1AやJ3Eを復調しようとして発振させると、ビートに濁りが生じる場合が多いです。また、帯域が狭まって低域が削られるため、J3Eの復調が困難になっています。

 

選択度は同調回路を作り変える(LC比を最適化する、バリコンをステアタイトVCに変更する等)ほか改善の手立てはありません。A1Aの濁りは発振状態でのC/Nに依存します。J3Eの復調については、そもそも感度不足で(というかアンテナがしょぼくて)発振状態と入力信号レベルの兼ね合いの問題があり、もう1段RF増幅が欲しいところです。いずれも凝りだすと泥沼に嵌りそうな問題ではあります。

 


2SK2880/2881がゲート接地で使えそうなのが分かったのが収穫でした。安い石ですし、これで多少なりとも利得が稼げればかなり有用と思います。できればきちんと測定して挙動を確認したいものです。

 

 

参考文献
トロイダル・コア活用百科 CQ出版社 昭和58年1月

一般にFETはバイポーラトランジスタに比べて高速・広帯域らしいです。では、実際はどのくらいまで使えるのでしょうか?

 

昔の雑誌の製作記事なんかみても、比較的初期から2SK19とか3SK22あるいは2SK61(いずれも東芝)なんかが使われていて、これらは全て高周波向け(VHFチューナ)とされていたので、あえて低周波用のFETを高周波で使う必要はなかったのですね。

 

特に増幅器を構成した場合、入力容量が大きければ同調回路の負荷になりますし、帰還容量が大きければ中和処理の問題がでてくるので、この数値の大きい石はできるだけ使いたくない訳です。低周波用の石はその辺の配慮が無いので特に避ける、となります。

 

トランジション周波数(ft)については、gmを入力側の容量(単純に入力容量ではない、はず)で割った値になるらしいです。実験して確認したことありませんが。これに従えば小信号低周波増幅用とされている石のftはVHFの低い方あたりになります。


その石の使用可能な周波数の目安として「ftの10分の1」というのがありますので、低周波用の石でも数MHz、がんばれば15MHz位まで使えるのではないでしょうか。

 

ということで早速実験してみたいところですが、例によってろくな測定器がありません。ので、今回も予備実験無しのいきなりアプリケーション、いつものストレートラジオで試してみることにします。

 

回路図。帰還量調整用のVCを節約したくてセパレートダインにしてみました。Q2のドレインにつないでいるLCフィルタはCだけでも良かったと、今、気づきました。

 

 

以前簡易スーパーを組んだ時、2SK2880EでOSC,MIXer,IFAMPを構成しましたがこれらの動作周波数は455kHz〜2MHz未満であり、動いて当たり前でした。(カタログデータにも1MHzで計測されている項目がある)

 

今回はその10倍位の15MHz程度を目指したかったのですが、15MHz帯(19mb)に聞きたい局が無いのとアンテナ設備が貧弱なのとで、その少し下、12MHz(25mb)を上限とすることにしました。

 

コイル部分のアップ。回路が簡単だと、こんな適当なバラック配線でも動いてしまうのです。

 

 

同調コイルはトロイダルコアに巻きました。コア材は手持ちの都合で#6(黄)を使いました。試していませんが周波数的には#2(赤)でも使えると思います。同じインダクタンスなら巻き数が少なくて済みます。

 

同調インダクタンスは2uH程度ですが、同一コアに3つもコイルを巻いているので計算通りにはなりません。この他、配線時の浮遊容量が効いてくるので、最終的な巻き数は動かしてから決めることになります。

 

VCはこれも手持ちの都合で中波スーパー用をANT・OSC並列にして使いました。これで5.6〜12.2MHz位までカバーできるはずだったのですが、実際は5.9〜12.1MHzとなりました(計測方法については後述)。

 

取り敢えず、41mBの北京放送と31mBのベトナムの声は問題なく受信出来ました。短波の場合、受信機の性能よりもアンテナの性能に左右されるので、受信できたからといって期待通りに動いていることの証左にはなりません。音質は高域のノイズが耳障りでフィルターが欲しいところです。
受信周波数幅が広いため再生量の調整幅が広くなり、やや使いにくいです。最初、ソースのVRは10kを使っていたのですが25mB側で絞りきれなくて50kに変更しています。また、帰還コイルの巻き数を減らすと、今度はゼロバイアスでも再生が効かない周波数が出てきます。

 

また、発振させて40mBのアマチュア無線の受信を試みたのですが、SSBらしい音をひとつだけ確認したに留まりました。受信周波数幅数MHzを減速機構なしで180度に展開していて同調困難な上、発振時はハム音が酷くて実用的ではありません。

 

安定度については温度補償とか一切考慮しなかったのですが、室温に著しい変化がなければ実用上問題無さそうです。

 

受信帯域の確認ですが、アンテナ端子に周波数カウンタをつなぎ、発振させてその周波数を読み取りました。この方法だと周波数カウンタが同調回路の負荷になってしまうので、正しい値は得られません。また、今回のように高周波増幅器無しでアンテナに直結すると、今度はアンテナが負荷になって周波数がずれます。ということで、目安程度にしかなりません。発振そのものは不安定になったりせず、それなりに動作しているようです。

 

アンテナは居室から玄関に掛けて張り巡らせた10m程度のビニール線です。アースはエアコン用の保安接地端子に繋いでいます。経験上、接地を要するアンテナ(ロングワイヤーとかバーチカルとか)の場合、ハム音に苦しめられることが多いです。特に利得が低くてSN比を稼げないストレート受信機は不利です。同じ室内アンテナでも、ベントしまくっているダイポールのほうが(それの共振周波数では)ハム音から逃れやすいです。

 

さて、このラジオを実用的にするには、RFアンプの増設、同調回路の分割(1バンドづつか、精々2バンド)、低周波フィルターの増設等など、結構大掛かりになりそうではあります。

 

シャーシ構造のラジオは最終的に何らかのケースに収めないと実用になりません。

 

ケースの材料で一番身近なのは木材だと思いますが、数ある中から「安価」で「加工が容易」で「経時変化に強い」ものを選ぶとなると、意外な程、選択の幅は狭くなってしまいます。

 

今まで使ってきたものについての個人的な感想

 

バルサ
◯加工が容易。
✕本来模型用途なので強度が不足している。最近は余り見かけない、ような気がする。

 


◯入手が容易で安い。薄手のものは100円ショップで買える。
✕木口が荒れる。のこぎりを選ぶ。

 

棚板あるいは棚板向けとされている板材(木材の名称不明)
◯種類が多く入手も容易。仕上がりが良い。
✕加工がやや難しい。まとまった量の加工ではノミや木工用ドリル、電ノコが欲しい。

 

ベニヤ板(シナベニヤ)
◯入手が容易。安い。
✕思いの外固く、厚手のものは加工がやや難しい。木工用の専用工具が必要。木口(?)に釘が効かない。

 

MDF板
◯入手が容易。安い。薄手のものは100円ショップで買える。
✕薄手のものでも見かけ以上に固く、まとまった量の加工には電動工具必須と思われる。

 

最近よく利用しているのが、4mm厚のシナベニヤ板です。このように書くと材木らしいのですが、店頭では木版画用板材、として売られています。子供の頃、授業で使ったアレですね。少し大きめのDIYショップにて、四つ切くらいの大きさのものを1枚200円程度で買っています。確認していませんが、画材店でも扱いがあるかも知れません。

 

この板の良いところ

 

  • 安い
  • 加工が簡単。カッターナイフで切断可能。
  • 合板なので接着剤(いわゆる木工ボンド)の効きが良い。

 

欠点としては

 

  • 強度が無いので、大きい物の製作には向かない。
  • 薄すぎて釘が効かない。
  • 水分を吸いやすい。塗料を選ぶと思われる。

 

 

 

写真は先日製作したラジオ2台です。下の大きいほうが2SK170GRを使ったもの、上の小さいのが2SK2881を使ったものです。

 

シャーシの大きさがそのままケースの大きさの違いになっています。なお、2台とも電池の交換は非常にやりにくくなっており、特に小さい方はシャーシごと引き抜かないと無理かも知れません(まだ試していない)。

 

各部の切り出しにはカッターナイフを使っており、うまくいけばヤスリ掛け不要なくらいのきれいな切り口が得られます。しかし、自分の技量と相談して1mm程度の遊びを含めて切り出しています。このため組み立てると完全な「箱」にはならず、はみ出しが生じます。通常、ヤスリ掛けで所定の寸法まで仕上げるのですが自分で使うだけなのでそのままにしてあります。

 

正面パネルの穴の位置を現物合わせで調整しており、結果として余り格好良い仕上がりにはなっていません。

 

スピーカーが小さい(大きい方は5.7cm、小さい方は5.0cm)こともあって背面パネルは外したほうが音は大きく、また聴きやすくもなります(閉じると少し籠もった感じに変わる)。とはいえ、無ければ内部が埃だらけになってしまいます。

 

塗装しなかったのですが、吸湿を回避する意味でもラッカースプレーのクリアとか吹いたほうが良かったかも知れません。


Search

Calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>

Archive

Mobile

qrcode

Selected Entry

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM