mpv を使ってネットラジオを聴いている。

 

raspberry pi  zero W にraspberry OS というありふれた構成なので、せめてソフトウェアくらいは変えようと、定番のmpdではなくmpv にしたのですね。

 

で、しばらく聴いていると、音飛びするようになるのでコンソールから top を動かしてみるとRAMを相当使っていてスワップが発生している状態でした。

 

おかしい、と思って再起動して様子を見ていると、とにかくどんどんメモリを消費していて、30分で空き容量が30MB以上減ります。

うーむ、mpv のメモリリークかしらん、と思って audacious で聴いてみるとメモリ残量はほとんど動かない。mpv だめかしらん、と使うのを諦めて audacious をバックエンドにするようにもしたのですが、別の問題(※)で失敗しました。

 

ffplay はどうよ、と思って試すとmpvと似た挙動を示しました。ffmpeg由来のバグかしらん、であればちょっと手に負えないかも。

 

その後、試行錯誤を続けていたのですが、mp3 や aac で配信されるラジオを受ける場合はメモリが減らない事に気づきました。ogg の時だけ問題があるようです。

ogg で受けているのは RadioParadise だけでした。このサイトは ogg 以外にも mp3 や aac で配信しているので、そちらに切り替えたところ正常に聴取できるようになりました。

 

空きメモリが減り続ける事象のみ見れば、バグ(メモリリーク)のように思えますが、raspberry pi zero W というメモリ容量が小さくかつ動作も遅い環境では単純に開放速度が追いつかないだけなのかも知れません。であればmpv(あるいはffmpeg)の仕様、という事になるかも。使えないことには変わりありませんが。

 

長らくモノラル仕様だったが、このたびステレオ化しました。DIPパッケージのアンプICは手元にたくさんあるけれど、半田付けが煩わしくて結局秋月の既成品を並べる事に。作っている最中、手持ちの3線式ステレオスピーカが使えない事に気づいて、適当なスピーカーを貼り付けたため「通常はありえない」見た目になりました。

 

 

※ audacious --headless でバックグラウンドで起動しaudacious -1 -p 等で制御するのですが、 dbusを使う関係で session が必要になります。コンソールすらない組み込み動作だと systemd にて起動できても別のアプリケーションからは制御できませんでした。

 

PA-63R


ラジオ工作は子供の頃からの趣味でもう40年も続けている。

 

来年2月には中波AM局の停波が始まるとかで、いまさらAMラジオでもなかろう、とは思うのだが、てっとりばやく作れて実用になるという事で暇ができると作っているのですね。

 

最初に作ったラジオ、というと普通はゲルマニウムダイオードを使ったパッシブラジオという事になるが、自身の経験はそうではなありませんでした。

 

最初からトランジスタラジオ、だったのですね。

 

構成は高周波1段、トランジスタ検波、クリスタルイヤフォン出力だが検波負荷は抵抗、さらに使っているトランジスタは2SA1015-Yという、ちょっとひねったものでした。
当然、オリジナルではなく、子供の科学だったかに載っていた製作記事のデットコピーで、そのラジオに使われていたのがPA-63Rだったのですね。

 

このアンテナの良いところは取り付け用にコアの中心に針金がついているところ。他のバーアンテナでは別途アンテナホルダーを用意しなくてはならないので、経済的でした。

問題点はコアにコイルが直接巻き込まれているため、インダクタンスの調整ができないこと。また、二次コイルがないのが応用範囲が狭まているかも知れません。

致命的なのは、中間タップの取り出しが単純に巻線の折返しな事。使わないからといって切断してしまうと、アンテナコイルそのものが断線してしまいます。切り口にハンダをつければ修理できますが、根本から切ってしまうとそれも難しい。

 

こんなPA-63Rを先日秋葉原のマルツで数十年ぶりに買ってきたので、PA-63Rを主役にラジオを作ってみました。

 

最初、いつもの再生検波にしようとして二次コイルを自分で追加したりしていたのですが、どうも動作が安定しない。そのうち、再生なしでも実用充分な分離が得られることに気づいて、再生検波を止めて単純なストレート形式にしてみました。

 

製作中に気づいた箇所は次の通り。

 

  1. 低音が割れる。利得が持ち上がって発振しかかっているのでは、と思ってソース側に直列CRを入れたりしていろいろ試したが、最終的に低周波用バイパスコンデンサを撤去する事で改善をみた。
  2. 上記により負帰還量が増え帯域が広がった(ように見える)からか、今度は高周波で発振気味となった。本来、プレート検波では不要のゲート側CRを追加したところ安定に動作するようになった。
  3. ドレイン側の負荷抵抗は、重くする(20k位)と音質が劣化し、軽くすると感度が下がるため、試行錯誤で決めた。
  4. プレート検波とはいえソース抵抗はこんなに大きくなくても良さそうだが、小さくして動作電流を増やすとVDが下がってFETが動作しない。ドレイン側の負荷抵抗との兼ね合いもあり、こちらも試行錯誤して決めた。
  5. 2SK2880-Eに差し替えたところ、上記問題は生じない代わりに低感度すぎてラジオとして実用にならない。2880Eでラジオにするには、電源電圧を7V以上に上げたり、負荷をトランス(ST-30A)にする等が必要だった。電源電圧はともかく、トランスを使うのは不経済すぎるので見送った。

 

回路図

 

PA-63Rはコアが小さくて感度的に不利と予想していたのですが、結果的に充分実用になるラジオにまとめることができました。きちんとしたスピーカーを繋げば音も悪くないです。

 

せっかくなのでケースに収めたいところです。

 

 

実験の様子。簡単な回路なので100円ブレッドボードに全部載ります。


 

自分宛てメモ

 

AM放送からFM放送への切り替えについて、いよいよ具体的に動き出すらしい。

 

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu09_02000310.html

 

 

AM停波にあたって既存の法規に抵触する点(半年停波すると免許取り消しになるとか)について特例で回避する、ということのようだ。

 

停波後の運用について、総務省側はいくつかバリエーションを想定していて

 

1 AM継続、FM転換せず (現状のまま)

2 AM親局継続、中継局を停波、FMで補完

3 AMほぼ停波、FM親局

4 AM停波、FM転換

 

まあ、AM民放局の経営難が発端なので複雑になりそうな2と3はありえない。4が大勢を占めるのでは。現時点で1を選択する事を明らかにしているのは北海道と秋田の局だとか。

 

 

来年(2024年)2月にはAMを停波する局が出てくるらしい。もう少し先だと思っていて、最後に1台くらいスーパーを作ろうかと目論んでいた。FMラジオを考えたほうが良いのかも知れない。

 

連休中に出勤予定があるので、前倒しで振休を取った。

 

で、ものすごく久しぶりに夕方の台湾放送を自作4バンドセパレートダイン(記事はこの辺)で聴こうとしたのですが。

 

聞こえません。

 

慌てて調べたら13MHz(22mb)13740kHzに引っ越ししていました。うーむ。

22mbを聞ける自作ラジオは無いので、これまた久しぶりにSONYの短波ラジオのスイッチを入れたのですが、やっぱり、既成品で聴くのは面白みに欠けるのですね。

 

ここでようやく、過去に自分でも22mbを聴けるラジオを作っていたことを思い出しました。

 

それは49mbと41mbの2バンドスーパーです(記事はこの辺)。局発の高調波を使うことで22mbを受信可能なのでした。

 

さっそく埃だらけのラジオ及び周波数ディスプレイと電源を引っ張り出してつなぎました。正直、久しぶりすぎて電源装置の電源を入れるのが怖かったのですが、ままよ、とばかりに入れましたよ。

幸い問題なく動作しました。よかった。相変わらず台湾は強力ですね。

 

そういえば、太陽活動がそろそろピークではなかったか、と思い出して調べてみたのですが、サイクル25は2019年に始まっているそうで、であれば今年から来年にかけてがピークになるはずです。

 

それを考えると、22mbを使うのも納得です。19mbでも良いような気もしますが、このバンドは意外と安定しないのですね。まあ、19mbというとDWくらいしか思い出がありませんが。大昔に再生検波で専用機作って聴いてました。


22mbって他になにが聞こえるのかしらん、と思って調べたらNZ(英語)が出ていました。こちらも、台湾に比べれば信号は弱いですが安定して聞こえました。肝心の番組内容が喋りが多くて、英語の聞き取りが苦手な私は、個人的にちょっと残念。

 


受信周波数の計算は、(6187.5+455)×2+455 = 13740 になります。なお、周波数ディスプレイはkHz以下を表示しません。

 

 

しかし台湾は本当に強力。このラジオの内蔵プリセレでは49mbや41mbへの混信を除去しきれませんでした。

前記事で今回製作したラジオのポリバリコンが不調な事を書いた。

 

で、実用に供してみるとやっぱり使いにくいのですね。出勤前に時計代わりにNHK第1を聞き流しているのだけれど、バリコンの具合の悪い箇所がちょうど当たるようで、ガリガリいって同調しにくいです。それ以外は今のところ問題ないのですが。

 

やっぱりちゃんとした状態で使いたいよなあ、と思ってネットでポリバリコンを探してみたら、意外とどこも普通に在庫していました。とりあえず、千石電商とマルツにあることを確認して秋葉原に買い出しに行ったのですよ。

 

しかし千石電商では見つけることができませんでした。久しぶりに行って陳列の様子が少し変わっていて探しきれなかったのかも知れません。店員に聞けばいいのですが、それ以外(工具も買わなくてはならなかった)の件で長らく捕まえてしまったので、何か言いそびれました。

 

ポリバリコン以外のものを買って一旦退出し、マルツへ行ってみることにしました。千石以上にものすごく久しぶりに行ったような気がしたのですが、2階が閉店していたことを初めて知りましたので、実際そうなんですね。

まあ、この店は微妙に値段が高かったりするのでジャンク品や見切り品以外は余り買ったことがなかったりするのですが。

 

さて、マルツで部品を探すのは至難の技なので、速攻で店員に聞いたところずいぶん奥まったところの引き出しから出してくれました。まあ、これ以上ストレートラジオを増産する気もなかったので取り敢えず保守目的で3つ買いました。バーアンテナのPA-63Rがあったので、懐かしさにひかれて1つ買いました。子供の頃、一番最初に買ったバーアンテナがこれでした。

 

買ってきた単連ポリバリコン。端子の引き出しが基板取り付け用になっている。

 

ちゃんとフィルム固定用のシャフトが入っている。

 

裏面はこんな感じ。スーパー用の2連バリコンあるいはAM/FMチューナー向け4連バリコンの部品を流用している。

 

調子の悪い現用中の単連ポリバリコンの裏面。これも中波スーパー向けの2連バリコンの部品を流用している。

 

調子の悪い現用中の単連ポリバリコンの側面。フィルム固定用のシャフトもちゃんと通っている。

 

反対側にもある。

 

左が現用中のもの。右が今回買ってきたもの。厚さが異なる。

 

並べると、よりはっきりする。但し、この程度の違いであれば特に問題になることは少ないだろう。

 

大きさやリードの引き出し方向の違いよりも重要な違いがあることが、交換してから判明した。

 

それは、周波数の高い方(バリコンの容量が小さくなる方)で変化量が少なくなる、ということ。AFNを聞こうとしてダイヤルを回したら以前よりずいぶん手前に止まったので「まずい、最大容量が小さいのか?」と焦ったのだが、NHK第1に同調した位置はほとんど変わらなかったから、実際の最大静電容量はほぼ同じと思う。

 

一般にバリコンは回転角に対して容量が均等に変化する(容量直線型)ため、周波数の高い方で同調操作が行いにくくなる。

これに対策したものは周波数直線といって、VFOなんかの「ちょっと高級」な用途に使われる。

 

今回は調べなかったので本当に周波数直線型かどうかは分からないが、使ってみた感じとしては文化放送とかニッポン放送なんかは確かに合わせやすくなった。

 

うーむ。これはちょっとヤバイかも。短波ラジオとか作りたくなってしまうではないか。

問題のポリバリコンの様子。すでにフィルムを吹き飛ばした後。

 

前述の再生式ラジオ(2022年)を動かしていて、放送局を受けるたびにバリバリとノイズを出すトラブルが発生した。

 

回路的に特に問題はなく、配線的にも大丈夫なようであった。ようであった、というのは組み立てた後の部品交換を容易にするためコネクタ(ICピンを流用)を多用しており、接触不良の可能性もあるから。

 

やはりこれはバリコンの劣化だろう、という事で分解したのだが。

 

最初、中にごみでも入ったのか、と思った。で、バリコンのカバーを外し、カメラ用具のブロワーで軽く吹いたのだった。

 

そしたらですね。

 

何かキラキラしたものが飛び出してきたのですね。それも一つや二つではありません。大きさもまちまちです。

 

正体はポリバリコンの極板の間に挟まっている絶縁シート。これが劣化して脆くなっていたところにエアを吹いたので、バラバラになったものと思います。

 

以前、ネット上で粗悪なポリバリコンが話題になっていました。絶縁シートを保持する部材を省いた事で、何回かローターを動かしていると極板に引きずられてぐしゃぐしゃになってしまう、という代物「単連黒ポリバリコン」です。

 

使っているポリバリコンは秋葉原で現物をチェックして仕入れてきたもので、絶縁シートの保持材もある(2本必要なのを1本にしてはいるが)のを確認しており、充分実用に耐える品質でしたから、今回の件はちょっとショックでした。


飛び出してきた絶縁シートを見て、子供の頃にも分解したことを思い出しました(※)。その時の絶縁シートは「ポリ袋」っぽい感じがして「ああ、これはポリバリコンだわ」と納得した覚えがあります。今回のものは、透明度も高くて昔のものとは材質が違うのかも知れません。

 

ポリに限らず、プラスチックの類は容易に自然分解せず、故に環境問題にもなります。だからといって「永久に」製造時の状態を留めているわけではなく、いずれは寿命を迎えてしまいます。

 

使用による物理ストレスによる劣化も当然あるでしょうが、おそらく原因の大部分は経時による自然劣化なのでしょう。このポリバリコンが製造されてからどのくらい年月が経過しているかわかりませんが、単連ポリバリコンなんてホビー用途くらいしかないだろうから、相当前に生産されたものが流通在庫として残っているだけなんでしょうね。

 

手元には自作したラジオが何台もありますが、これらもいずれはポリバリコンの劣化で「製品寿命」が尽きることとなります。それが何時頃なのかはわかりませんが。

 

あと10年位は動いてくれると嬉しいけどね。その間に中波AM放送のほうが先に終了するでしょうから。

 

さて、再生式ラジオ(2022年)の方ですが、ポリバリコン無しではラジオとして機能しないので、手持ちの最後の1個を取り付けました。実はこれも同様の症状が出始めており、いつまで使えるかは分からないのですが。

 

 

 

※多分1983年頃、1970年代(60年代後半かも)の雑誌「ラジオの製作」を見ていて、「FM用超再生ラジオを作るのに、中波用単連ポリバリコンを分解してFM用単連エアバリコンに仕立てる」というのがあって、真似して作ったものです。当然、失敗しました。今考えると、子供向けにはレベル高すぎだよな。なぜ子供向け、と断じるかといえば、大人は予算に余裕があるはずなので素直にステアタイトのエアバリを使うだろうから。他にもFMチューナー向けのエアバリが入手できたはず。

 

 

 

自分宛てメモ

 

負荷抵抗の22kを10kに変更。電源電圧を高くしていた時の名残だった。

これにより利得が変わったため再生量を再調整した。帰還経路上の固定C 100pF(積層セラミック)を33p+27p(単板セラミック)に変更。

聴き疲れは減ったと思う。そのかわり(?)、低音がよりいっそう出なくなった。

 

 

利得を欲張って抵抗値を大きめにとっていた。ある程度、ID流さないとFETがもつ本来の特性を発揮しないと思うので変更した。微々たるものだが。

 

聴き疲れの原因はなんだったのか?

オシロスコープも使ってみたのだが、低周波段の386は発振していない、ように見える。やはり、FET側で寄生発振している可能性が大きいものと思う。

 

修正した回路図。待機電流値の変更は実測に基づく。

 

(2022年9月28日改変)

 

 

長らく工作台の上を占領したままになっていた、作りかけのラジオをようやく仕上げた。

 

 

回路図


製作開始当初からの主な変更点は次の通り

  • アンテナコイルへの帰還経路の変更

従来、アンテナコイルの2次側を使用してきたが、1次側のタップを接地して、(ゆえにコールド側でなくなった)コールド側(黒)に戻す方法に改めた。
前作にて帰還量調整にVCを使うのを廃止したが、今回も同様とした。VC使用時はローター側を接地して使っていたが、その必要がなくなったため今作ではLを接地するように改めた。こうすると、アンテナコイルからの引き出し線を1本減らせるので好都合である。

また、FETの入力容量の影響で同調周波数の高い方でダイヤルメモリが詰まってしまうため、インダクタンス側を減らす必要もあった。アンテナコイルの巻き戻しも検討したが、接地箇所をタップ位置に繰り上げる事で実現できた。
但し、今度は低いほうがカバーしきれなくなってしまった。とりあえずJOAKは聞けるので実用上の問題はない。

 

  • 電源電圧の変更

当初7.2Vを予定していたのだが、最終的に4.8Vに戻した。実験段階ではいろいろなFETを試したため、動作させやすい電圧ということで7.2V(本当は10Vは欲しいのだが)にしていたのだが、最終的にはいつもの2SK2881Eになり、4.8Vでも実用的な感度を得られたためである。


主な問題点とその対策

  • ブレッドボードで実験中に遭遇したもの

低域で音割れする。
同調が突然ずれる。
感度が著しく低下する。
原因は迷結合による異常発振で、具体的にはソース側に繋いだVRの配線からゲート回路(同調回路)側に回り込んでいた。配線材料をシールド線に変更したところ解決した。
前作も同様の症状があったが、ケースに組み込んだら発生しなくなった。製作当時は結果オーライで原因を深く追求していなかった。早速バックポートした。

 

  • 低域不足

高域が出やすい回路と思うが、そのためか相対的に低域が不足している。ヘッドフォンで聴く分には気にならないが、スピーカーだともの足りない。

 

  • 聴き疲れするような気がする

完成直後は注意深く聴くのでそのせいかも知れないが、聴き疲れするような気がする。
前述のような高域が目立つことが原因かもしれない。また、異常発振の可能性も捨てきれない。
しばらく使い込んで見極めたい。

 

 

ケースの様子


コスト的にアルミケースを使うことができなかった為、(今は決して均一ではない)100円均一ショップで買ってきた6mm厚のMDFでケースを作っている。ボディエフェクト避けで正面パネルのみアルミである。
MDFなので吸湿避けの塗装は必須で、扱いの容易なラッカースプレーを使用している。なお、この色(茶色)には飽きているのだけれど、製作頻度が低いのでなかなか無くならない。

スピーカーは内蔵としなかった。外付スピーカーへの引き回しが長くなると、トラブルの原因になるかも知れない。

 

 

 


実験中の様子。周波数の高い方ではダイヤルの減速機構が欲しくなる。

 

先日作ったラジオが思いの外うまく動いたので、同じ形式でもう1台組む事にした。といってもそのまま量産するのではなく、一部改良を加えた、いわば強化試作機といったところ。

 

主な変更点

  • FETの出力を受けていたエミッタフォロワを廃止。
  • 負荷抵抗の定数を10kに変更。

この検波回路は元々短波ラジオ向けに作ったものから引っ張っており、実験中に低インピーダンスのイヤフォンを繋いだり、音量調整VRの影響で動作が微妙に変わったりするのを防ぐためにエミッタフォロワで受けていた。中波用のラジオでは「あればいい」程度のものなので廃止した。
その一方、少しでも出力を稼ぐために負荷抵抗を10kに増やした。


試作1号機同様、調整がシビアである。ソース側のVRで発振直前の状態へ調整するが、同時に動作点も動くため音質も変わる。バンド全体で感度と音質の両方を最適化するのは至難である。
電源電圧への依存もやや大きい。単3型4本で動かす事を想定しているので、6Vから4.8Vとなるが、4.8Vで帰還量を調整してしまうと6VではVRの操作だけではフォローしきれない。

 

 

AFNやTBSなんかはかなりの音量で鳴ってくれる。今までスピーカーは昔からある8Ω  200mW位の安物を使ってきたが、今回は8Wの高級品(?)を使おうと思う。ケース加工とか結構大変かも知れない。

 

回路図
帰還量調整用のC (33p × 2)は組み立て状況に大きく左右される、はず。


2SK2880Eを使う場合の変更点

  • 電源電圧を7.2Vに上げる。
  • 帰還量調整用の固定Cを減らす。33p × 2  → 33p × 1

なお、出力は小さくなるので信号の弱い局スピーカーを鳴らすのは難しい。ヘッドフォンなら実用になる。

以前製作したラジオ(以下JFET-Regen)は、現用中の自作ラジオでは最高感度である。全体のパフォーマンス(感度・安定度・音質)で比べれば簡易スーパーが僅差で優っているのだが、バーアンテナの優秀さが裏目に出てしまい(聴きたい局が指向性の谷間にかかる)、据え置きタイプとしては少し使いにくい。

JFET-Regenのほうはバーアンテナが小さいためか、指向性が極端にでることはない。

安定度については少し難がある。部品の都合(バリコンを1個節約した)で受信動作中に再生量を可変できない。このため調整はJFETの動作点を変更する事で行うのだが、検波動作そのものとの兼ね合いがあって中波帯全域で適切な再生量を見出すのが難しい。

 

組み上げてからしばらく使ってみて、どうにも使いにくいので再調整を試みた。その結果、

  • JFETのバイアスを少し浅くした状態で再生量を発振手前にセット
  • 受信時にバイアスを深くすると発振状態に至るので、適切な位置に調整

このように調整すると扱いやすく、また感度も稼げることが分かった。

 

ソース-グランド間の電圧を測ったところ調整範囲は0.4〜0.5Vだった。自己バイアス回路なので符号を反転すればこのままVGSとなる。

 

しかし、ですね。

 

バイアスを深くする、即ち動作電流を絞ると発振状態に至る、というのは何かピンとこなかったので少し考えてみました。

 

JFETの場合、適切に使用していればゲートに電流は流れないので、真空管やトランジスタのような、いわゆるグリッド検波的な動作はそのまま適用できないと思います。(その割には経験上のノウハウ(?)で、ゲートに大きめの容量のコンデンサを繋いだりしているのだが。)

 

なのでID-VGSカーブの立ち上がり部分を利用した、いわゆるプレート検波的な動作で動かす事になるはずです。

 

しかし、JFETがそもそもリモートカットオフであり、出力特性における飽和領域の手前では2乗特性で近似できる事から、立ち上がり部分から少し外れても検波してくれている、と思います。
但し、効率は立ち上がり付近のほうが良いようで、バイアスを浅くしてIDを多く流しても復調音はかえって小さくなってしまいます。

 

大信号がゲートに入ってバイアスが正電圧になった場合の挙動は分かりません。一応、2SK2881の最大定格としてゲート電流は10mAと規定されているので、すぐに破壊されないとは思いますが。
同調回路で生じる電圧がどの程度のものか、というのもありますが、バーアンテナとダイオードのみのラジオだと殆ど実用にならないことから、JFETがゼロバイアスとかになっていなければ大丈夫と思います。
 


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